夢の実験場
人類にとって「夢の大学」とはどのようなものか、ということに思いをめぐらし、古代からのさまざまな学校の歴史を調べたことがあります。起源を見ると、「知」を求める「大学」と「美」を求める「美術学校」とは、別々に発祥したものでした。
ということは、真実への深い欲求によって思い描かれる「夢の大学」には、世界や宇宙や自然への想像力を豊かにしてくれるものとしての、図像や空間や音響的な創造物が、いつも満ちあふれているべきなのでしょう。
このように考えると、現代の「美術大学」における図書館という場所は、「知」と「美」の探求というそれぞれの流れを、一つの分かちがたい全体のうちに結合させるという、夢の実験場にもなりうるものではないでしょうか。