大型本シェルフ
印刷技術の無かった頃のヨーロッパの図書館は、譜面台のような家具が並び、そこに貴重な書籍が鎖で繋がれた空間でした。その多くが、立ったまま閲覧するスタイルだったようです。
羊皮紙写本時代の巨大で重い書籍に似て、美術大学の図書館には図版をふんだんに使った大型本の割合が多くなっています。その場で上に本を広げられる背の低い書架は、実はこの古典的な閲覧スタイルを参考に考え出されたのです。棚の所々にあるランプつきの凹みで本を読むあなたの姿は、中世のそれと同じかもしれません。
大型本シェルフ
デザインは本学環境デザイン学科客員教授の藤江和子氏によるもの。